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大使館

大使館からのお知らせ

11.16.2015

2015年11月16日の「コメルサント」紙に掲載されたS.V.ラヴロフ外務大臣の論文「平和と安定のための人道的パートナーシップ(ユネスコ70周年に際して)」

Thumbnail image for LavrovUnesco.jpg今年は、数十年にわたり歴史の流れを変えることとなった象徴的な出来事にとって節目の年である。まず、第二次世界大戦での戦勝70周年があり、また、同様の悲劇を繰り返さないために設立された国際連合の節目の年でもある。

これらの歴史的な日付は国際連合教育科学文化機関の歴史にも密接に関係している。ユネスコ設立の基盤には、人類の平和的発展は軍事・政治・経済の取り決めだけではなく、人類の知的・精神的連帯に立脚していなければならないという思想がある。

教育・文化に関する国際的空間を創設し、次世代の暴力に対する抵抗力を養うというアイデアは、グローバルな対立が激化する最中に提唱されたものである。1942年、同盟国の教育大臣会議が英国で活動を開始し、1943年にはソ連とアメリカがこれにオブザーバーとして参加した。この活動が実を結び、同分野の国連特殊機関を設立するというイニシアチブが生まれた。1945年11月16日のロンドン会議で採択されたユネスコ憲章には、教育・科学・文化面での協力拡大を通じて、平和と安全の強化に寄与することが同機関の主目的であると記されている。

現在195の加盟国を数えるユネスコは、70年の間に、国際体制の人道的中核として、また人類共通の重要な財産、文化財、環境を保護するための他に類を見ない多国籍フォーラムとして確固たる基盤を築いてきた。国際関係の健全化や現代文明の持続可能な進歩に対するユネスコの貢献は計り知れない。

わが国がユネスコの正規加盟国となったのは1954年のことである。これにより、教育・科学・文化・情報分野の国際協力に関与する新たな可能性が開かれ、また、現代の焦眉問題の解決に対するユネスコの更なる貢献が促進された。

ロシアとユネスコの連携は互恵的パートナーシップの好例であると言って間違いない。ユネスコの関与がなければ、ロシアでの教育、科学、文化、コミュニケーションの発展は考えられない。また同様に、ロシアなしでは、文化間対話や文化的多様性の促進、基礎科学の発展、世界遺産の保護、民俗風習の継承、科学技術の進歩に伴う倫理づくり、ジャーナリストの身の安全の確保、インターネット管理などを目的とした各種イニシアチブやプロジェクトの実現は考えられない。

不安定化と危機的現象が進み、あらゆる面で対立が先鋭化する現在の不穏な世界情勢では、国際場裡で信頼と相互理解を維持し、文明と宗教による世界の分断に対抗し、文化の多極化を促進する上で、ユネスコの役割はますます重要になっている。9月にニューヨークで承認された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記された野心的目標の達成にユネスコが寄与できると確信している。

中東および北アフリカで前例を見ないほどにテロが多発する中、過激主義、排外主義、人種・宗教的不寛容に対抗するための体系的な活動が必要とされている。また、喫緊の対策を必要とするもうひとつの分野が世界文化遺産の保護である。世界文化遺産は現在、ISの武装勢力の蛮行により甚大な被害を受けている。この分野で共同作業を拡大するための強力な法的基盤となるのが、1954年の武力紛争の際の文化財の保護に関する国連条約である。この条約の策定にあたって使用されたのが、私たちの同胞N.K.リョーリフが提唱し、80年も前にこの分野で初となる多国間文書の基本に据えられた概念である。ニコライ・リョーリフはこの概念を推進する上で、美は世界を救うというF.M.ドストエフスキーの有名なテーゼにも立脚した。

ロシアはパリで開催されたユネスコ第38回総会において、わが国が文化大国であり、様々な民族と宗教が何世紀にもわたり平和に共存してきた伝統を持つことに鑑み、今後もユネスコの活動に積極的かつ建設的に関与し、ユネスコの直面する大規模な課題の解決を助けていく決意を確認した。私たちは、ユネスコの設立文書に記された理想と目標と原則を維持するためのユネスコの尽力、I.ボコワ事務局長の尽力を支持する。

昨今、残念ながら、文化人や芸術家に対する差別的対応、展示品の持ち込み禁止、史跡の取り壊しなどを含め、人道交流の政治利用が目立つようになっている。このような行為やジャーナリストの活動制限、民族の違いによるマスコミ差別などは、人々の文化的・知的交流の権利を侵害するものであり、新たな分断線の発生につながっていく。私たちは、文化・芸術分野での自由な交流と協力を支援する国際文書の採択を提案した。私たちは、ユネスコの基本的価値観に基づき、一貫してこの文書の承認を目指していく。

急速に変化を遂げるこの世界では、安定と進歩のため、すべての国家と民族のために、ユネスコの創造的ポテンシャルを最大限に活かす必要があると確信している。

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